33週の妊婦検診でいきなり産院から救急車で緊急搬送されることになった私。
この日はちょうど雨が降っており、タンカーに乗せられ産院の玄関から救急車に運ばれる時に、雨に濡れないように寝袋のようなもので覆われました。視界ゼロの中、救急車に乗り寝袋を開けられると産院の先生も乗っていました。
👨⚕️「私も一緒に行きますのでね、安心してくださいね」
知らない救急隊員が周りにいる中、先生がいて下さったのはとても心強かったです。
ただ、私の搬送に付き合ってくださる間、先生の診察を待っていた他の妊婦さんたちはどうなるのでしょうか。自分がこんな状況になっていながらも、そんなことがとても気がかりでした。
搬送中の救急車の中で
救急車の中で、私は県の大きな医科大学病院に搬送させることを告げられました。
そして、おそらくこのまま緊急で出産することになるからと、家族にも連絡してほしいとのことでした。
とにかく出勤した旦那に連絡。でも、何度電話をかけても出てくれません。旦那は大事な打合せの時間だったそうです。旦那以外でもいいのでとにかくすぐ駆け付けられるご家族に連絡を、とのことでした。私の実家はその産院のすぐ近くで父も母もいたと思うのですが、こんな事態になっていることを知られるのが嫌で連絡できませんでした。親とは仲が良いのですが、私は親離れをした頃から落ち込んでいる姿や弱っている姿を見せるのが得意ではありませんでした。
旦那とは社内結婚だったので、職場のほうに連絡し、緊急なので旦那につないでほしいということでお願いし、やっと連絡が繋がりました。
私はこの時、怖くて震えていて上手く旦那に状況を説明することが出来なかったのですが、それを見かねてか、産院の先生が電話を代わってくれて、緊急搬送されること、もう今日中のお産になること、すぐに来てほしい事等すべて簡潔に話をしてくださいました。
医科大学病院に到着
救急車で出発してから10分程で医科大学病院に到着しました。
意識もはっきりとしているし痛いところも苦しいこともない、ただただ混乱しているだけの患者がタンカーに乗せられ、床を滑るように周産期センターに運ばれました。
ずっと救急隊員と産院の先生がタンカーで運んでくれていたのですが、周産期センターのドアを入った途端、女性の穏やかな声が…
「緊急の患者さんですね~!病室こっちに用意してますよ~!」
それは、看護師さんたちの声でした。もはや、なにも動じずに笑みすら感じられるほど穏やかに受け入れて下さり、私はそこでガチガチに固まってしまった心臓がホロっと解けたような感覚になりました。
私は個室に運ばれ、ベッドに寝かされました。これから緊急帝王切開でお産になること、そして1週間は入院になることなど、足早に看護師さんから説明があり、説明を聞いていました。
その間に同行してくださった産院の先生は状況を医科大学病院に引き継いでくださっていたようです。
コロナの関係で病棟には患者以外は入れないからということで、先生はそのまま帰っていったようです。お礼を言いたかったのですが、それを聞かされたのはだいぶ後になってからでした。
怖すぎる手術の説明
病院に到着してからは病室で少しの時間一人で放置されていたのですが、程なくして手術が13:00頃からに決定したという連絡があり、手術の説明のために先生の部屋に移動しましょうということで、車いすで移動しました。
そこで、打合せを中断して職場から駆けつけてくれた旦那と面会できました。
もうその頃には、私は手術着に着替えて点滴を打っている状況だったので旦那も普段とは違う私の姿を見て、「大丈夫?」と言ってくれたのですが、その顔は見たことのないくらい動揺している表情でした。
私の手術を担当してくださるのは若いシュッとした淡々とした男性の先生でした。私は生まれてこのかた、手術なんてしたこともなかったのですが、手術前にはちゃんと説明があるんですね。(あたり前かもしれませんが。笑)
👨⚕️「最近のカイザーでは、美容的な観点からも横切りが主流になってきているのですが、今回○○さんは緊急カイザーになるので、お腹の赤ちゃんを一刻も早く出す必要があります。なので、すぐにお腹を開けるまでの時間が早い縦切りで行きます。傷跡は、縦切りの方が目立ってしまうのですが、ここはご了承ください。」
私「はい・・・」
👨⚕️「そして、赤ちゃんはかなり早い時期で外の世界に出ることになるので、無事に生まれてくれるかはわかりません。取り出したらそのままNICUに行き処置をさせてもらいます」
私「はい・・・😢」
👨⚕️「カイザー中、出血が大量にあった場合は、大量輸血の可能性もありますので、ご了承ください。万が一のことがあるかもしれないので、書類にサインもお願いします」
私「はい・・・😭😭😭」
リスクの話はしておかないといけないのは理解できますが、いざ当事者として急にそれを聞かされるとお腹の子や自分はこれからどうなってしまうんだと今まで感じたことのない恐怖に襲われました。
そんな私の心情を察したのか、ひざの上に置いていた手を握ってくれた旦那の手から私よりもひどい震えを感じ、怖いのは旦那も同じなんだと思いました。
この機会以外は旦那と話せる機会はありませんでした。先生の説明のあと「頑張って。心配いらないから」と旦那に送り出してもらって私は「うん!」と気丈にふるまったつもりですが、内心はとても怖かったです。
コロナじゃなければ、この後も病室でついていてもらえたのかな、、なんて考えながら時間になるまで病室で一人孤独に待つことになりました。
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